物流連 業種・輸送モード別に課題 中間報告 パレット実態調査

物流連 業種・輸送モード別に課題 中間報告 パレット実態調査

日本物流団体連合会(物流連/池田潤一郎会長)は、物流標準化調査小委員会(座長=二村真理子東京女子大学教授)による、パレット利用実態に関する調査の中間報告を行った。ヒアリングからは業種・輸送モード別の課題が浮き彫りとなり、サイズ標準化・統一化についても業種・品目別に温度差がある。引き続き標準化や循環スキームの活用による効果のシミュレーション分析などを行い今年度内に最終報告として取りまとめる。

標準・統一化も温度差

物流連会員、日本倉庫協会会員対象に昨年8〜9月にアンケート(回答91社・138拠点)を実施。回答企業の5割が「メーカー・生産者の施設等」の発荷主側の物流施設。 
取扱貨物全体のパレット貨物比率は、入庫時平均60%〜出庫時平均51%、ばら積み20〜30%、パレット積替10%程度。種類はT11型が7割弱で、ほか14型・12型・9型の間に大差は見られない。
一貫パレチゼーションが進まない理由は、「自社パレットの流出・紛失防止」、「トラック積載量の確保」、「発注・輸送ロットの小ささ」など。発着荷主と物流事業者を含む利害関係者のコスト(競争領域)に関わる要因も多く、トレード・オフとなるため問題解決は容易ではないとしている。
その一方、ビール・飲料、レンタルパレット業界では、発荷主が負担するコストを抑えるべくパレット共同利用・回収などの循環利用を推進し、協調領域を広げ効率化を図る成功事例も確認した。
一部の企業ではパレット流出・紛失課題について、アクティブRFID活用など動態管理技術のツールを導入して課題解決を図る動きもみられた。

●手荷役深刻度3段階に

業種・品目など個別の実態を把握するためヒアリング調査(9社)も実施。トラックドライバーによる手荷役の深刻度(負荷)を3段階に分けて整理した。
問題が顕在化していない「レベル0」は、コーヒー生豆、冷蔵・冷凍食品など、荷主が取り組み段階の「レベル1」は化学製品、加工食品(粉物)、建材など、既に深刻度が高い「レベル2」は家電、日用品など。
サイズ標準化・統一化についても業種・品目別の温度差がある。冷蔵・冷凍食品は業種パレット採用で外部流出を防止、
加工食品は全国工場からのパレット流出問題に着手、建材は工場パレットの入出庫データ管理が行われ物流事業者にも共有されている。
一方で家電はパレット貨物・ばら貨物の二極化など同じ業界でも企業間に対応差がある。日用品は長距離・通運の輸送について強くパレット化が望まれている。
物流連では「流出を避けるため、海外で導入されている循環スキームの導入の検討」や、手荷役の深刻度が高い業種が確認され「実状(物流クライシス)を数値化して示す必要がある」としリス分析や、標準化、循環スキームの活用による効果のシミュレーションなど行う予定だ。 

提供元:日本流通新聞×foredge
By:物流たまてばこ

日本流通新聞 トラックマンジョブ