4‐6月 荷動き指数上昇へ、荷主「物流コスト大幅増見込む」

4‐6月 荷動き指数上昇へ、荷主「物流コスト大幅増見込む」

NX総合研究所(廣島秀敏社長)は4月28日、荷主企業753社からの回答をもとに企業物流短期動向調査(短観)の3月調査をまとめ発表した。荷動き指数の4—6月見通しでは、まん延防止等重点措置の解除などで上昇に転じる見込み。ただウクライナ紛争の影響次第では下振れする可能性もあるとした。一方運賃・料金動向では、トラック運賃など燃料価格高止まりを背景に上昇圧力がさらに強まると見ている。
同調査は、四半期ごと荷主企業を対象に「国内向け出荷動向」「輸送機関別利用動向」「輸出入貨物の動向」などについてアンケート調査を実施する。それぞれ実績・見通しの指数は、「増加(値上がり)」と答えた企業の割合から「減少(値下がり)」と答えた割合を差し引いた値。
国内向け出荷量の動向を示す「荷動き指数」は、2022年1—3月実績が前期から9ポイント下落しプラス3となり、4—6月見通しで4ポイント上昇しプラス7と再び上昇に転ずる見込み。 
荷動き鈍化への材料は国内で見当たらず緩やかな上昇を辿ると思われるが、21年10—12月のプラス12だった水準には届かない。
4—6月を業種別でみるとプラスの業種が前期に比べ3業種増え11業種に拡大する。また上昇する業種は前期の4業種から8業種となる見込み。「化学・プラスチック」「鉄鋼・非鉄」などはプラス転換となる。また、「輸送用機械」は28ポイント上昇しプラス19へと大幅な好転になりそうだ。

トラック運賃、上昇圧力強まる

「在庫・保管動向指数」では、原材料および製品の在庫量、営業倉庫保管量の3分野ともに上昇する見通し。引き続き在庫積み増しの動きの中で上昇に転ずると予測する。
「運賃・料金の動向指数」は全機関で上昇する。一般トラックは16ポイント上昇しプラス39、特別積合せトラックは14ポイント上昇でプラス32と近年最も高い水準を示す。倉庫保管料においても4ポイント上昇しプラス22を見込む。とくに一般トラックでは、回答した荷主の4割が荷動き堅調なことや燃料価格高騰を背景に運賃値は上がりすると考える。
このことを受け、「物流コスト割合の動向指数」は10ポイント上昇しプラス38を見込んだ。回答する荷主にとっては今後運賃など物流のコストがさらに拡大すると予測する。
一方でNX総研は物流コスト増はやがて製品値上げへと転嫁され、消費マインドの冷え込みが巡りまわって新規の設備投資縮小につながることを懸念する。

提供元:日本流通新聞×foredge
By:物流たまてばこ

日本流通新聞 トラックマンジョブ