転嫁拒否19件に立入、注意喚起 業種別内訳を公表

転嫁拒否19件に立入、注意喚起 業種別内訳を公表

公正取引委員会は昨年10月に開始した、荷主と物流事業者との取引に関する調査結果を公表した。今回、燃料高騰など上昇分の価格転嫁拒否が疑われる事案19件に対して立ち入り調査を実施。また、注意喚起文書送付641件について、製造業、卸売業・小売業の中で件数の多い業種を公表した。調査結果を荷主・物流事業者を対象とする講習のほか、関係省庁・団体を通じて周知徹底し、未然防止とともに違反行為には厳正に対処する。

注意喚起多い業種内訳公表

昨年末に関係省庁で取りまとめた「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」を踏まえ、公取委は3月に中小事業者等取引公正化推進アクションプランを策定。関係省庁と連携しサプライチェーン全体の連鎖に着目、垂直的な取引の適正化を推進している。
荷主と物流事業者との取引調査はこれまでも継続的に行っているが、コストアップに対する転嫁円滑化と関係業界への広報体制を強化した。書面調査を荷主3万件(回答1万1438件)、物流事業者4万件(回答1万8685件)に実施した。
その結果を踏まえ、労務費、原材料費、エネルギーコスト上昇分の転嫁拒否が疑われる事案について、荷主19件に立ち入り調査を実施した。
独禁法上の問題につながる恐れのある荷主641件に対しては今回も具体的な懸念事項を明示した文書を送付。送付先業種の公表は、これまで件数の多かった製造業、卸売業・小売業について、表の通り日本標準産業分類(中分類)から、多い業種の内訳を公表、関係業界へより分かりやすい周知を図る。
注意喚起文書を送付した荷主の行為類型別(複数送付含む)では、「不当な給付内容の変更及びやり直し」351件(47・6%)が最も多く、以下「代金の支払い遅延」161件(21・8%)、「代金の減額」92件(12・5%)、「不当な経済上の利益の提供要請」44件(6・0%)、「割引困難手形の交付」38件(5・2%)、「買いたたき」26件(3・5%)、報復措置21件(2・8%)など。

提供元:日本流通新聞×foredge
By:物流たまてばこ

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