物流を担うトラックドライバーにとって、交通事故のリスクは常につきまといます。中でも重大事故につながりやすいのが「居眠り運転」です。疲労や睡眠不足からくる一瞬の気の緩みが、大事故を引き起こすことも。この記事では、居眠り運転の原因、罰則、実際の事故リスク、そして有効な防止策までを詳しく解説します。
居眠り運転とは？その定義と特徴
居眠り運転とは、運転中に一時的な眠りや意識低下が起こる状態を指します。完全に眠ってしまっていなくても、「マイクロスリープ」と呼ばれる数秒の意識喪失だけで重大事故に発展するケースもあります。
特徴
ブレーキやハンドル操作が遅れる
車線を逸脱する
信号や標識を見落とす
無意識のうちに速度が変化する
居眠り運転の主な原因
居眠り運転の背後には、以下のような要因が重なっています。
慢性的な睡眠不足：深夜運行や不規則な生活リズム
過労・長時間労働：拘束時間の長さ・休憩不足
単調な運転環境：高速道路などで注意力が散漫になる
体調不良・薬の影響：風邪薬や睡眠導入剤などによる眠気
居眠り運転の事故リスク
日本では、警察庁が公開する統計においても、居眠り運転は死亡事故につながる比率が非常に高いことが分かっています。特に大型トラックの場合、被害が拡大しやすく、社会的責任も大きく問われます。
実際のリスク：
高速道路上での追突・単独事故
夜間・早朝の事故発生率の高さ
車外への飛び出しによる歩行者巻き込み
法律上の違反と罰則
居眠り運転そのものは「居眠り運転罪」として明記されているわけではありませんが、次のような違反に該当します。
安全運転義務違反（道路交通法第70条）
過失運転致傷（刑法）・危険運転致死傷（刑法208条の2）
点数：3～13点（状況による）
罰金：最大50万円以下（事故の有無で変動）
居眠り運転を防ぐための対策
未然に防ぐには、日頃の体調管理と適切な運行スケジュールが鍵となります。
実践できる防止策：
2時間に1回は必ず休憩を取る
仮眠を積極的に取り入れる（15～30分が理想）
カフェイン飲料で一時的な眠気対策
エアコンや音楽で眠気を覚ます
疲労感を覚えたら運転を中断し、必ず休む
※特に長距離運転を伴うトラック業務では、運行管理者によるスケジュール調整や、デジタコでの運転時間把握も重要です。
居眠り運転まとめ
居眠り運転は、ちょっとした油断が命取りになる非常に危険な行為です。トラックドライバーに限らず、すべてのドライバーが対策を取るべき問題ですが、特に業務中の運転が多い職業では、そのリスクは一層高まります。「疲れたら迷わず休む」を習慣づけ、事故ゼロの運転を心がけましょう。
コメント