長距離運転は、ドライバーにとって集中力と体力を要する過酷な作業です。
「どのくらいの時間ごとに休憩を取ればいいのか?」
「国の基準はどうなっているのか?」
トラックドライバーや運送業の管理者にとって、安全運行と法令遵守のための休憩タイミングの理解は必須事項です。
この記事では、国の定める基準と、実際に推奨される休憩タイミング・工夫をわかりやすく解説します。
国が定める「休憩」のルールとは?
厚生労働省が定める「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」では、以下のように規定されています。
■ 連続運転時間の上限
4時間を超えて連続運転してはならない
4時間以内に30分以上の休憩(またはこれに相当する仮眠等)を取る必要がある
※この30分は 10分+20分などに分割してもOK
トラックドライバーが意識すべき休憩の目安
実際には、下記のようなペースが現実的かつ安全とされています。
走行時間 休憩目安
約2時間ごと 10~15分の休憩
4時間経過 30分以上の休憩(義務)
長距離運転(6~8時間以上) 途中で 仮眠(15~30分)を推奨
休憩を取らずに走り続けると、疲労の蓄積により注意力や判断力が低下し、重大事故につながる可能性が高まります。
なぜ休憩が必要なのか?その理由とリスク
長時間の運転により起こりやすいリスク:
居眠り運転の危険性
集中力の低下による反応遅れ
腰痛やエコノミークラス症候群の発症
イライラ・ストレスの蓄積による運転マナーの悪化
これらを防ぐには、定期的なストレッチや水分補給、座席から降りて体を動かすことが重要です。
高速道路を利用するならSA/PAの活用がカギ
高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)は、定期休憩に最適なスポットです。
清潔なトイレや仮眠スペース
食事・ドリンク補給
ドライバー向けの仮眠室があるエリアも
ナビアプリや渋滞情報と連動させて、計画的な休憩を取りましょう。
管理者・事業者の視点:計画運行の中に休憩を組み込む
運行管理者や配車担当者は、ドライバーの拘束時間・運転時間・休憩時間のバランスを意識して、運行計画を立てる必要があります。
荷主への交渉で余裕のある納品時間に調整
タコグラフやデジタコの活用で運転状況を見える化
休憩ポイントを事前に共有
これにより、無理のない働き方と、事故防止の両立が可能になります。
まとめ
長距離運転では、4時間以内に30分以上の休憩が法令で定められていますが、理想的には2時間ごとに10~15分のこまめな休憩をとるのが安全です。
走行距離ではなく、身体と集中力の限界を基準に休憩を取ることが事故防止の第一歩。
安全運転は、休む勇気と事前の準備から始まります。
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