「今日は何時間運転しただろう…」
長時間運転が当たり前になっているトラックドライバーの中には、知らず知らずのうちに法律違反にあたる拘束を受けているケースもあります。
2024年問題などをきっかけに、ドライバーの労働時間の上限管理が厳格化されています。この記事では、1日の運転時間・拘束時間の上限や休憩ルールについて、わかりやすく解説します。
「拘束時間」とは?まず用語を整理しよう
用語 意味
拘束時間 出勤してから退勤するまでのすべての時間(休憩・待機含む)
運転時間 ハンドルを握って運転している実際の時間
休憩時間 完全に業務から解放される時間(食事・仮眠など)
トラックドライバーの拘束時間ルール(原則)
【1日の拘束時間】
13時間以内が原則
最大でも16時間を超えてはならない
※ただし、週2回以内なら例外的に15時間までOK(通達あり)
【1日の運転時間】
2日平均で9時間以内
原則として1日あたり最大9時間を超えてはいけない
【連続運転時間】
4時間運転したら30分以上の休憩必須
分割してもOK(例:2時間→10分、さらに2時間→20分)
「週」「月」単位でもルールがある
期間 制限内容
1週間の拘束時間 原則60時間以内
月間の拘束時間 原則293時間まで(改善基準告示)
休日 1週間に1回以上 or 4週間で4回以上必須
※2024年4月以降は「年間残業時間960時間まで」など新ルールが追加
違反するとどうなる?罰則とリスク
事業者への監査・行政処分対象
労働基準監督署からの是正勧告
運転者自身も、健康リスク(過労・事故・睡眠不足)に直結
さらに、重大事故につながれば刑事責任を問われる可能性もあり。
実態とのギャップと対策
多くのドライバーが「守りたくても守れない」という現場の実情を抱えています。
特に問題になるのは:
荷待ち時間の長時間化
深夜運行による仮眠不足
不明瞭な休憩・待機の扱い
対策ポイント:
タコグラフや運行管理ソフトで運転時間を見える化
待機時間の有給化や、運行ルートの改善
会社選びで「拘束時間を守っている企業か」も重要な判断材料に
まとめ
トラックドライバーの運転時間・拘束時間には、厳格な上限ルールがあります。
「忙しいから」と無理を続けると、自分の健康だけでなく、周囲の安全まで脅かすことになります。
ドライバー自身が知識を持ち、働きすぎを未然に防ぐことが大切です。
企業側も、これからは拘束時間を守る努力が問われる時代です。
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