日本物流研究会 物流不動産ビジネスの業界化

日本物流研究会 物流不動産ビジネスの業界化

日本物流研究会(NBK/事務局=新日本流通新聞社)が18日に開催した特別セミナーでイーソーコ総合研究所(東京・港区)の出村亜希子社長が講演した。イーソーコグループが取り組む物流不動産ビジネスの業界化についてポイントを述べた。所有するアセットを異業種とのコラボで新たな収益源を生み出すダイナミックな魅力を伝えた。
物流不動産ビジネスとは何か。この問いに出村社長は「倉庫、物流施設を基軸とした倉庫ソリューション」と語る。保管や入出庫、運送業などが収益の基本だったものに不動産を加えることで仲介、マスターリース、賃貸といった収益を派生させる。「空間の活用ビジネスとも言える」。たとえば使われなくなった倉庫をオフィスやスタジオといった物流の視野から飛び出すイメージ。業態にとらわれない物件に生まれ変わることで新たなニーズを創出する。
物流不動産ビジネスを進めるためのキーワードは3つ。①物流が基本、②掛け合わせのビジネス、③情報ビジネス。
ポイントとなるのが人財。物流不動産ユーティリティープレイヤーと呼ぶ。物流を基軸に不動産や建築など様ざまなノウハウから顧客の真のニーズを読み解く力を育成する。
また空間を通し異業種と掛け合わせることで新たな付加価値を生み出せるのも不動産ビジネスの面白さでもある。
移転や空き物件などといった情報が収益につながる。自社の領域内の物件にとどまることなく他社の情報を活かす。アカウント営業的に情報は最大限活かし、提案によるウインウインの関係を築き上げる。
これらが物流不動産ビジネスの業界化を進めるうえで機能してくる。業界化への手法は、イーソーコグループとの合弁会社や出資会社の拡大だ。最初の合弁会社を2014年に設立し、これまで約50社を設立させた。今後2年以内に100社立ち上げを目指す。設立の基本パターンは、資本金1000万円のうち出資比率はイーソーコグループ35%、相手会社65%。
物流不動産は掛け合わせのビジネス。物流に何かを掛け合わせることでイノベーションを起こす。合弁会社にイーソーコグループからユーティリティープレイヤーを選任することでノウハウを提供する。相手会社は本業に注力でき、さらに新たな収益源確保といったメリットが得られる。
これまで設立の合弁会社および出資会社50社は、相手会社が老舗物流企業だったりマイクロ法人(個人)、またはベンチャー企業と様ざま。老舗会社にはアセットを多く保有するなどそれぞれ魅力的な経営資産があるという。

提供元:日本流通新聞×foredge

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