東ト協連 標準的 7割が届出 運賃「低い」は減少に転ずる

東ト協連 標準的 7割が届出 運賃「低い」は減少に転ずる

東京都トラック運送事業協同組合連合会(東ト協連/石川和夫会長)が毎年2回実施する「運賃動向に関するアンケート調査結果」によると、標準的な運賃の届出状況について「届出した」「届ける予定」と答えた事業者の割合は合計で7割を超えたことが分った。「届出た」事業者のうち、その後実際に運賃の「交渉した」または「交渉予定」の割合は前回1月調査から12ポイント上昇。新型コロナ感染症の拡大で経済活動が制約された時期、適正運賃収受に向け必死に企業活動している姿が浮かび上がった。

加盟する68協同組合から無作為に40単協を選定し、そのうちの200社を対象にアンケート調査を実施した。6月に調査票を配布し7月末時点で回答のあった175社(有効回答170社)をもとに7月調査としてまとめた。今回新たに「標準的な運賃」の届出状況と、「高年齢者雇用」についての2項目を追加設問した。
「標準的な運賃」の届出状況をたずねたところ「届けた」が回答全体最も多い割合を占め46・5%(79社)だった。「これから届ける予定」の27・6%(47社)と合わせると74・1%と大半を占めた。ただ一方で全体の4分の1にあたる44社は「届出しない」と回答した。
では届出た、もしくは届ける予定の126社を対象にたずねた標準的な運賃での交渉有無では、「交渉した」が8・8%(11社)で「交渉予定」40・8%(51社)と合せるとほぼ半数となる49・6%を占める結果となった。この割合は前回の1月調査から12・4ポイント上昇している。標準的な運賃の理解が浸透するとともに収益改善に向けて取り組みに乗り出す事業者が徐々に増え始めた。
ただ交渉結果は11社中「認められた」は1社、「継続交渉中」4社、「認められなかった」6社と厳しさも浮かび上がった。東ト協連では、荷主など取引先からの理解を得ることが難しいことに加え、コロナ禍での厳しい経営環境が結果に表れたと分析する。

運転者の定年
60〜65歳まで
定点観測する「運賃料金」の収受状況は「低い」の割合が直近の調査に比べ減少し、「希望通り」は増加したことが分かった。  
具体的には、希望する運賃に比べ、「極めて低い」が5・9%(10社)、「低い」28・8%(49社)、「少し低い」49・4%(84社)で合わせると84・1%となった。
これはコロナ影響のなかった2年前の調査時の水準に近づき、前回1月調査より5・6ポイント減少した。一方「希望通り」は15・9%(27社)となり前回調査に比べ5・7ポイント上昇した。
有料道路を含む高速道路料金の収受状況はコロナ禍で厳しさを増しているようだ。これまで最も多い割合を占めていた「原則収受」が前回調査より3・3ポイント下げて45・8%(77社)となった。代わって最多となったのが「指定された場合のみ収受」の48・2%(81社)だった。標準的な運賃制度の普及に伴い、荷主にも運賃と料金の明確化の周知が進むが今回調査では厳しい結果となった。
改正高年齢者雇用安定法の施行に伴い、今回「運転者の定年制の有無及びその年齢」を問う設問が追加された。
それによると定年制の設定が「ある」は80・1%(137社)、「ない」は19・3%(33社)だった。廃止は1社。
そのうち「ある」と回答した137社に定年の年齢についてたずねたところ、最多は「65歳まで」の53・6%(75社)、次いで「60歳まで」36・4%(51社)、「70歳まで」5・0%(7社)だった。

日本流通新聞 トラックマンジョブ