物流費過去20年最高値、JILSコスト調査 売上高比率5・7%に

物流費過去20年最高値、JILSコスト調査 売上高比率5・7%に

日本ロジスティクスシステム協会(JILS/遠藤信博会長)がまとめた「2021年度物流コスト調査報告書」(速報値)によると、全業種平均の売上高物流コスト比率は前年度比0・32ポイント上昇の5・70%となり、過去20年間の調査で最も高い水準となった。

昨年7−12月にかけてアンケート調査を実施(有効回答195社)、対象期間は主に20年度。
物流事業者からの値上げ要請などを理由に売上高物流コスト比率は上昇傾向にあり、20年度調査では5・38%(前年度比0・47ポイント上昇)と14年ぶりの5%を記録したが、21年度調査でも上昇が続いた。
業種大分類別では製造業(134社)5・66%、卸売業(41社)5・54%、小売業(15社)6・08%、その他(5社)7・09%だった。
値上げ要請の有無については、回答企業(169社)の66・9%が要請を受けたとし、その割合は前年度から16・1ポイント減少した。値上げを要請された主なコストの種類は輸送費と回答した割合が89社で最も多く、荷役費54社、保管費52社と続く。
値上げ要請があったと回答した企業(113社)のうち、98社(86・7%)の企業が「応じた」と回答し、前年度から9・1ポイント減少した。
同一サンプルによる前年度比較が可能な「2年連続回答企業」(162社)をみると、売上高物流コスト比率は5・61%で、前年度から0・07ポイント上昇。業種大分類別の前年度比では製造業0・01ポイント増、卸売業0・34ポイント増、小売業0・09ポイント増、その他1・18ポイント減だった。
JILSでは物流コストの上昇が続く要因に、労働力不足などによるトラック運賃の値上げや荷役費の値上げなどをあげる。輸送費の値上げ要請がやや勢いが落ち着いた感があるが、荷役費や保管費については昨年と同水準で値上げ要請が続いているとしている。
対象期間21年度の見通しも売上高が回復基調となり、物流量の増加に物流コスト、物流単価も増加傾向を予想している。

提供元:日本流通新聞×foredge

日本流通新聞 トラックマンジョブ