【物流日記】全長25㍍ 最大級ダブル連結トラック

【物流日記】全長25㍍ 最大級ダブル連結トラック

2022年の幕が開けましたね。昨年は2020年に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行に伴い物流・運送業界に様々な変化や課題がありました。
このような中でも昨年の3月に行われた、「ダブル連結トラック」駐車場予約システムの実証実験などの取り組みをご存じでしょうか?
長距離運行においてドライバーの拘束時間が長く負担が大きいことから、国土交通省は2016年9月にトラック輸送の省人化の推進を目的に、「ダブル連結トラック実験協議会」を設立したことがはじまりです。2019年1月には車両長の基準を最大21メートルから25メートルまで緩和するなど、国家的課題として物流業界の人手不足の改善に取り組んできました。
SDGsの取り組みも活発な中、通常の2倍の貨物を輸送することで二酸化炭素削減にも貢献します。
この「ダブル連結トラック」を運転するドライバーの要件は、大型免許5年以上保有及びけん引免許5年以上の保有で2時間以上の訓練の受講が必要となります。
駐車場不足や安全性などの課題もありますが、国内最大級の車両を乗りこなすやりがいもその分大きいのではないでしょうか。

物流業界は2024年問題に対する問題を多く抱えており、あと2年という期限も新年を迎え現実味を帯びてきました。2024年問題とは、働き方改革関連法によって、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されることで運送・物流業界に生じる諸問題を意味します。
具体的には、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限され、業界全体の利益減少・ドライバーの収入減少・荷主の物流コストの増加など様々な問題が生じることが予想されます。
これらを踏まえて解決すべき問題として、①低賃金・長時間労働、②人手不足、③ドライバーの高齢化、④EC市場の拡大に伴う物流量の増加が挙げられます。
中でも人手不足は深刻な課題であり、2018年の段階で有効求人倍率は2.8で全職業の1.35を大幅に上回りました。
2024年問題の対応策として主に、①労働環境・条件の改善、②デジタルトランスフォーメーションの活用、③M&Aの実施などが有効であるとされています。

昨年はDXを代表としたこれら課題・問題に対する多くの取り組みがあり、環境に配慮し貨物輸送を鉄道や船舶を利用するモーダルシフトの推進の動きも見られました。
しかし日本の物流事業全体において、トラック運送事業は貨物輸送量の約9割を占めているのが現状です。
地域や暮らしに寄り添うトラック運送に対する認知度はまだまだ低く、物流業界の課題に対して様々な角度からの取り組みの必要性がありますが、ダブル連結トラックに注目することでコロナ禍でも変わらない日常を送ることが出来ている有難さを再確認しました。
2022年も「物流たまてばこ」のコンテンツとして、物流業界の最新情報を発信していきますのでチェックしてみてくださいね!

日本流通新聞 トラックマンジョブ