【物流日記】ドローン物流の未来 国内初超高層マンションにドローン配送

【物流日記】ドローン物流の未来 国内初超高層マンションにドローン配送

働き方改革関連法により、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されることで、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されます。
運送・物流業界では、主にドライバーの労働時間に罰則付きで上限が設定されることで、「会社の売上・利益減少」や「トラックドライバーの収入減少・離職」、「荷主側における運賃上昇」といった問題が生じうるため、この問題を「2024年問題」といいます。

運送・物流業界における2024年問題の深刻化は、現段階での長時間労働・低賃金、ドライバー不足、物流量の増加という背景があります。
EC市場の拡大などによる物流ニーズの多様化・細分化は、トラックの積載効率の低下を招き、ドライバーの長時間労働や人手不足に拍車をかけているのです。

現段階での慢性的な人手不足の改善のためにドローン物流の目覚ましい進歩についてご存じでしょうか?

2021年12月に、日本郵便と楽天グループの合弁会社であるJP楽天ロジスティクスは1月11日、2021年12月1~16日の約2週間にわたり、千葉県市川市の物流施設から千葉市内の高さ100mを超える超高層マンションへのドローンを活用したオンデマンド配送の実証実験を国内初の事例として実施しました。

実証実験では最大積載量7kgのドローン機体を活用し、千葉市内の超高層マンションの住民が専用サイトで注文した救急箱や非常食、医薬品などの物資を、千葉県市川市の物流施設「プロロジスパーク市川3」の駐車場からマンションの屋上にあるヘリポートまで、東京湾海上や公道上空を含む片道約12kmを配送しました。

2022年にドローン物流実現を目指し、各地で様々な実証実験が行われており、またドローンスクールが全国各地で開校されているように、多くの人にとってドローンはより身近な存在になりつつあります。

日本でドローンの利用が急増している大きな理由のひとつは、ドローンの価格の安さが挙げられます。
ドローンには多くの種類があり、それぞれに長所と短所があります。
ドローンは、サイズ、スピード、航続距離などが異なり、色や大きさ、デザインも様々です。
さらにドローンの技術にも多くの種類があり、ドローン技術の発展はドローンの使われ方と密接に関係しています。

カメラを搭載したドローンは、3,000円程から購入でき、撮影やその他のプロモーションのために使用されます。
小型ドローンの一種であるクアッドコプターは操縦がしやすく、非常に手頃な価格で購入することが可能です。

この他にも農業や災害対応など、さまざまな場面でドローンの導入が進んでいます。
日本の農業分野も物流業界と同様、慢性的な人手不足や担い手の高齢化といった大きな問題を抱えています。
農業用ドローンは農薬散布などの用途として活躍しており、人手を代替するだけではなくドローンで撮影したデータの記録や管理によって、生産量の向上の寄与にも期待されています。

災害が発生した際にドローンは小回りの良さから様々な場面での活用が期待されます。
特に災害が発生した直後には迅速な対応が求められるため、飛行機やヘリに比べてドローンが優れている点が複数あります。
主に、①災害における被害確認、②被災者の発見、③情報の収集、④物資の運搬、⑤被災者の救助などが挙げられます。

多くの業界・分野での活躍が期待されるドローンの活用ですが、都市部で安全にドローンを運用するには、通信環境や規制の整備が必須になります。
2024年問題を2年後に控えた物流業界でのドローンの運用が、その他様々な業界にプラスの影響を与えられるのではないかと期待します!

今後も「物流たまてばこ」のコンテンツとして、今回取りあげたドローン物流の事例など、物流業界に関わる最新情報を発信していきますのでチェックしてみてくださいね!

日本流通新聞 トラックマンジョブ