JMAR国内配送マッチング市場 拡大一途2026年度に470億円規模

JMAR国内配送マッチング市場 拡大一途2026年度に470億円規模

荷物配送の依頼者と配送事業者(トラックドライバー)を直接マッチングする国内配送マッチングプラットフォーム市場は、2026年度に470億円規の見込み——。日本能率協会総合研究所(JMAR)が国内で配送マッチングプラットフォームを提供する事業者対象に調査し、市場規模を推計した。調査結果によると、20年度の市場規模は70億円だが、23年度には195億円と2・8倍、その後の3年間でも2・5倍の470億円規模まで拡大すると予測した。

ドライバー不足 要因

理由としては、トラックドライバーの高齢化による人員減少、EC利用の増加による小口配送需要の拡大によってドライバー需給のひっ迫、EC利用増による配送需要の拡大など、ドライバー不足の深刻化を背景に、市場は今後も拡大が見込まれる分析している。
配送マッチングを行うプラットフォームは2015年、三輪以上の軽自動車および二輪の自動車(125cc以上)を使用する「軽貨物運送」で登場。2019年頃からは大型トラックなども使用する「一般貨物運送」の配送案件のマッチングも開始されている。
働き方改革関連法によって2024年にドライバーの労働時間上限が設けられることで、人手不足は深刻化を加速するとみられる。ドライバーにとっては、案件の間の空き時間が長いことや、復路を空荷の状態で走る空車回送率が高いことが課題となっている。
運送業界は中小企業や零細事業主が大多数を占める「多重下請け構造」のため、中間コストが発生することもドライバーの収益性の悪化、荷主の物流コスト増加の一因になっていると指摘されている。
配送マッチングプラットフォームは、依頼者と配送者を直接マッチングさせることで「中間コスト削減を図ることができるデジタルツール」として位置づけられている。
依頼者は、配送需要に合わせて柔軟にドライバーが確保できる一方、ドライバーは空き時間を有効活用して収益を上げることが可能になるなど、活用によっては労働生産性を向上させることが可能となる。
依頼者の荷主にとっては、季節による運送需要の変化など、運送需要の波動に合わせて柔軟にドライバーを確保できる点がメリットとなる。こうした利用メリットから、配送マッチングプラットフォームに登録するドライバー、運送事業者の数は年々増加している。
プラットフォーム事業者は、依頼者による配送者の評価制度の導入や、配送工程をアプリで管理できるなど配送・作業工程の平準化を進め、配送サービスの品質向上・安定化に取り組んでいる。今後も、サービス品質の向上による利用の増加、ドライバー・運送事業者の増加によって市場は拡大が見込まれる。

提供元:日本流通新聞×foredge
By:物流たまてばこ

日本流通新聞 トラックマンジョブ