【物流日記】世界で「ソーシャルコマース」急成長中!電子商取引市場最大級規模に

【物流日記】世界で「ソーシャルコマース」急成長中!電子商取引市場最大級規模に

新型コロナウイルス流行を機に、Eコマースの市場ではライブコマースやオンライン接客などのソーシャルメディアを軸に、購買までの体験を創出する「ソーシャルコマース」が日本市場においても大きな成長が見込まれています。
近年Eコマースの機能を持つSNSをプラットフォームといて活用するソーシャルコマースに、日本でもInstagramやFacebookなど大手SNSが参入し、今後大きな市場に拡大していくことが予想されています。

今回はEコマースの新しい形である「ソーシャルコマース」に注目し、今後の物流業界への影響についても考えました。
まだソーシャルコマースを利用されたことのない方もいらっしゃるかと思いますので、参考にご覧になっていただけると嬉しいです!

■ソーシャルコマースとは

ソーシャルコマースとは、ソーシャルメディアのプラットフォームの中で商品の販促や販売をする手法です。
様々な種類があるソーシャルメディアのうち、これまでも宣伝手段として使用されてきたSNSのプラットフォームで販売する「SNS×EC」の形で活用できるようになりました。
そのため、SNSの中で商品を販売することを指して「ソーシャルコマース」と呼ぶことがほとんどです。

SNSを活用したソーシャルコマースでは、販売側による商品に関する投稿からユーザー側が直接購入ページに遷移して購入できます。
また、SNS上の広告を見たユーザーがそのままSNSから商品を買うことが可能なため、商品の発見からワンストップで購入の導線が確保できます。

■ソーシャルコマースのメリット

ソーシャルコマースが近年注目を集めている理由として、世界で拡大傾向にあることが一番に挙げられます。
ソーシャルコマースは現在は中国・東南アジアなどの地域で最も拡大していますが、徐々にアメリカでも浸透しつつあり、世界的にも今後急速に拡大することが予想されます。
世界的に拡大している要因として、販売側・購入側ともにメリットが多いという点が挙げられるため、以下にまとめました。

【販売者側のメリット】
購入までに離脱されることが少ない
SNSを利用している世代の市場を開拓できる
サイト構築の手間が少ない
顧客の囲い込みがしやすい

【購入者側のメリット】
いいと思ったものを検索し直しなどなくすぐに買える

経済産業省によると、2020年のBtoC-EC市場規模は19.3兆円です。
コロナ禍を機に物販は大幅な市場規模拡大となっており、さらにインターネット人口は約9割に達します。
インターネット人口の60%以上がスマートフォンを利用しているなど、物販のソーシャルコマースが今後増加する要因は複数ある事がわかります。

■ソーシャルコマースとEコマースの違い

ソーシャルコマースとEコマースは共通点も多くありますが、どういった点が異なるのか具体的に解説します。

Eコマースは、「電子商取引」を表す「Electric Commerce」の略称です。
一般的には、ショッピングサイトや自社サイトを通じて商品を販売することを指します。
販売取引の場はSNSとは別に、SNSは販売サイトへの流入経路としての役割を担っています。
Eコマースの取引に至るまでに、SNSは情報発信や利用者とのコミュニケーションを中心に活用されます。

それに対してソーシャルコマースは、SNSを中心としたソーシャルメディアの中で販売を行います。
SNSが集客の役割に加えて販売の場も担っているのがEコマースと異なる点であり、情報発信から集客・販売までSNSが一貫して利用されます。

ソーシャルコマースも電子商取引であり、「Eコマース」の中に「ソーシャルコマース」が含まれています。
ソーシャルコマースは集客から決済まで完結するプラットフォームもあるため、新しい形のEコマースとして位置づけられます。

■拡大するソーシャルコマース市場と物流業界への影響

市場調査会社「Research and Markets」は、2021年8月に「Social Commerce - Global Market Trajectory & Analytics」を発表しました。
世界におけるソーシャルコマース市場は2020年に推定5,597億ドル(約62兆4,821億円)に達し、2021年のアメリカのソーシャルコマース市場は512億ドル(約5.7兆円)と推測されています。

ソーシャルコマース市場の拡大はコロナ禍の影響が大きく、外出が難しくなったためインターネット上での買い物が増えている傾向と、世界各国で国内外問わず旅行が難しい環境もまた市場拡大の追い風になっています。
そのため日本においても今後ソーシャルコマースの急速な成長が見込まれます。

また経済産業省の調査結果によれば、2020年の日本国内のEC市場はBtoC-ECで19.3兆円(前年19.4兆円、前年比0.43%減)、CtoC-ECで1兆9,586億円(前年比12.5%増)との推計結果が出されています。
また同調査では物販分野におけるスマートフォン経由のBtoC-EC市場規模は6兆2,269億円で、同分野のBtoC-EC市場全体である12兆2,333億円の50.9%にも相当しており、SNS内での購買行動への心理的ハードルが下がっていることも推察されます。

ここ数年では新型コロナウイルスの流行によって在宅勤務の増加もあり、実店舗よりもネットショッピング需要が急増しました。
そのため宅配便取扱個数は、2020年度において48億3647万個(うちトラック運送は、47億8494万個、航空等利用運送は5153万個)と、前年度と単純比較すると5億1298万個、対前年度比11.9%の増加となりました。
Eコマースの普及による宅配便取扱個数の増加に対して、物流を担うトラックドライバーの高齢化や人手不足は顕著になっております。
今後物流業界においては、ソーシャルコマースの市場拡大を見据えた人材確保や機械化やデジタル化を図ることがより需要となってきます。

■まとめ

今回「ソーシャルコマース」に注目しましたが、いかがでしたでしょうか?
ソーシャルコマースはEコマースの中でも新たな形として発展し、世界的に普及するであろう販売チャネルに成長することがご理解いただけたかと思います。
ソーシャルコマースの成長により物流業界においては、さらなる宅配便取扱個数の増加に繋がることが予想されるため、業界全体、企業ごとの取り組みはもちろんのこと利用者の皆様の理解もまた重要になりますので本コンテンツが参考になれば嬉しいです!

今後も「物流たまてばこ」のコンテンツとして、物流業界に関わる最新情報や皆様の生活に関わる情報なども発信していきますのでチェックしてみてくださいね!

日本流通新聞 トラックマンジョブ