北九州市と〝新しい運び方〟、ヤマト運輸 物流連携協定を締結、陸海空モードをフル活用
ヤマト運輸(長尾裕社長)は18日、北九州市(武内和久市長)と物流連携協定を締結した。パートナーシップの強化で物流を活性化し地域産業の利便性向上にもつなげる。ヤマトグループは來年4月から北九州空港を拠点の一つに貨物専用機の運航を予定しており、協定により陸海空の物流基盤を活かした北九州市のさらなる物流拠点化の推進と強靭な物流ネットワークの構築を目指す。
同日市内で行われた締結式にはヤマト運輸から栗栖利蔵副社長が出席。「北九州市は陸海空の物流基盤が整備され、当社ネットワークと様ざまな輸送モードを組み合わせ効率的な輸送ネットワークを実現できる。九州圏域の農水産物のスピード輸送など地の利と、フレイターの航空輸送のスピードを生かせる。新たな物流需要を開拓しお客さまの利便性向上にもつなげたい」と期待を述べた。
武内市長は「物流拠点として飛躍する大きなチャンス。地域産業の競争力向上につながると確信する。ヤマト運輸の物流事業にとって北九州市が戦略的フィールドとして大いに活用いただきたい」と述べ全市一丸で支援する姿勢を示した。
北九州市の貨物取扱貨量は、陸でコンテナが全国10位、海でフェリーが2位、コンテナが9位、空では国際取扱貨物量が6位。九州各県の貨物を集約しマルチモーダルで輸送する集約拠点化の動きが進む。
ヤマトの貨物専用機は北九州発着便数で1日10便・便あたり輸送力最大28トンという。
24年問題や脱炭素化など物流業界が喫緊の課題に直面する中で北九州市の基盤を生かす。集配送拠点を誘致し、新たな「荷の流れ」を創出するとともに、マルチモーダルで輸送力を強化し物流BCPを確保する。
具体的な協定内容は「物流全般の情報交換や知見の共有によるパートナーシップ強化」、「高付加価値の新サービス開発に協力して取り組み、共同プロモーションを実施」、「持続可能で強靭な物流ネットワークを築き、環境に配慮しつつ経済と社会を発展させる〝新しい運び方〟を共に構築」の3項目。
ヤマトは物流基盤を活用したネットワークの構築と効率化によるグリーン物流、さらに半導体など新たな荷の流れを生み出し、新規需要に対応する雇用を創出する。
北九州市はヤマトによる物流基盤の活用が円滑に進むよう支援し、九州圏域の市場特性や動向など情報提供する。