日本主導で国際基準調和、国土交通省自動車局車両基準・国際課長 杉﨑友信氏 使う側に分かりやく
「基準策定は認証や点検整備、検査、アセスメントといった自動車の安全環境行政全般で使われ、根幹となり影響も大きい業務。国連の場で国際基準調和を進めており、日本が主導して国際的な安全環境向上への貢献や、国際商品の共有化によるコスト抑制などに取り組みたい」。
昨年11月に国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の本会議で、車両基準・国際課の猶野喬安全基準室長が副議長に選出された。欧州以外では初めて。「長年の日本の活動、関係者が積み上げてきた信頼を得た結果だと思う。官民連携してこの信頼をさらに大きなものにしたい」と期待を込める。
喫緊の政策課題として、安全基準では社会的な重大事故事案として2019年に起きた池袋暴走事故があるが、基準関係でも踏み間違い加速抑制装置の基準検討を進めている。さらに「電気自動車や水素燃料電池自動車の基準策定、自動運転のレベル4の審査方法も国際の場で議論が始まっており確実に進めたい」。
環境基準では国内の燃費基準とともに国際的な動きではライフサイクルを通じたCО2の排出の評価手法を日本主導で提案している。
直近では整備課や審査リコール課など基準を使う側。「厳格であるとともに使う側としてより分かりやすい基準策定」に留意する。2014年に安全政策課事故対策官に着任した当時は事業用自動車事故調査委員会発足時で印象深いと振り返る。
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杉﨑 友信氏(すぎさき・とものぶ)1997年東工大理学部卒、99年運輸省入省。審査・リコール課リコール監理室長などを経て21年整備課整備事業指導官。東京都出身、50歳。趣味はスポーツ全般で休日は「若者に交じってフットサル」。。