中間管理者層の力量向上を ナスバリスク感受性向上セミナー初開催

中間管理者層の力量向上を ナスバリスク感受性向上セミナー初開催

 ナスバ(自動車事故対策機構)は国土交通省の運輸安全マネジメント評価を通じて把握した中間管理者層の力量が事故の増減に関係するにも関わらず、運送事業者において育成する仕組みが構築されていない傾向にあるとし、国交省認定の「リスク感受性向上セミナー」を設定、8日に都内で初開催した。今後各地で開催を予定している。
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 運輸安全マネジメント制度が2006年に導入され、国交省が同評価やセミナー・シンポジウムを実施。成果の一方、「中間管理職による効果的なコミュニケーションの確保が取れていない」との課題もあり、17年のガイドライン改定では安全管理要員、技能要員の教育に加え、中間管理層に対する教育の必要性を追記している。
 ナスバでは同評価において「中間管理職が事故・現場の課題に関する背景要因に気づいて対応すると事故が減少」、「中間管理職への登用システムは構築されても、安全管理に必要な力量を身に付ける仕組みが構築されていない」など傾向にあるとし、中間管理者層に必要な現場のリスクに気づく力(リスク感受性)の向上を図るため、現場の具体的な安全上のリスクを示しながら解説し、参加者自らが考える参加型研修を立ち上げた。
 8日のセミナーには約40人が参加。冒頭あいさつしたナスバの濱田尚人事業防止担当理事は「現場を管理する中間管理者層の皆さまがいかに潜在的なリスクに気づき顕在化を防ぐ具体的な対応方法を現場に分かりやすく伝えることが重要。学んだことを持ち帰り安全管理体制のより一層の向上を」と呼びかけた。
 講師の横山祐介運輸安全マネジメント事業部チーフが中間管理者層に必要な3つの力(気づく、報告する、伝える)についてそれぞれ解説。リスクに気づいた後の活用も重要であり、経営管理部門に「報告する力」、現場に分かりやすく「伝える力」の内容を加え、運送事業者における事例も交えながら行った。
 東京では9月5、11日にも追加開催するが、事業者の関心も高く既に満席。10月以降随時各地で開催する予定。

日本流通新聞 トラックマンジョブ