若い人から選ばれる産業へ、運輸労連 成田新委員長「何より人を大切に」、新執行部体制が始動
運輸労連は4日に記者懇談会を開き、成田幸隆中央執行委員長をはじめ新執行部役員が抱負を述べた。成田委員長は2024年問題に際し国の施策や企業の具体的な取り組みが進み「この機を逃してはならない」としながら、「組合員からは時間外労働の削減で実質賃金が減るだけでは理解が得られないという意見もある。運輸産業で働く仲間の労働条件向上、労働環境改善に全力で取り組む」と決意を述べた。
運輸労連は7月5、6日に札幌市で開催した定期大会で2022-24年度の運動方針を決め、役員改選では難波淳介委員長の後任に成田委員長が就任、新執行部体制がスタートした。
成田委員長は17年に全日通労働組合中央執行委員長に就任し単組と兼務する。24年問題が直近の大きなテーマとする中で政府の物流政策パッケージの策定は「国をあげて対応する姿勢が示されたことは今までにない状況」とし、荷主や物流事業者も「企業の枠を超え具体的な取り組みが進んでいる」と物流改善への手応えを示した。
一方で「24年は問題というよりトラックドライバーの働き方の見直しにある」とし引き続き労働条件向上、労働環境改善に取り組み、「物流に対する社会からの評価、満足度をしっかり引き上げる。個人のモチベーションを上げ若い人から選ばれる産業になる」と方向性を示した。
また成田委員長は赤松広隆運輸労連前顧問の政治信条である〝何よりも人を大切に〟を念頭に置き「コロナ禍で心の距離も遠くなった懸念もあり泥臭く人間味ある運動をしたい」、「伝えるより伝わる運動をしっかり行う」とし現場に足を運び積極的にコミュニケーションをとるなど抱負を述べた。
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中央本部の23年度専門部体制は次の通り。
中央執行委員長=成田幸隆▽中央副執行委員長=世永正伸(組織改革担当)、福本明彦(組織部長)▽中央書記長=杉山豊隆(統括)▽中央書記次長=今井瑞希(労働政策部長、ジェンダー平等推進担当)、大原猛(情報対策部長、総務財政部長、運輸共済専務理事)、入倉裕介(広報部長、業種対策部長)、亀田幸雄(企画部長、国際部長)、坂井俊文(産業政策部長)