首都圏キット安全研修 運転スキル底上げ

首都圏キット安全研修 運転スキル底上げ

日々の忙しさからあまりできなかった乗務員の運転スキルの底上げや、基本走行の知識を伸ばすための「安全研修会」が首都圏キット利用協同組合(伊藤和夫理事長)で企画し組合員に提供している。
埼玉県深谷市の埼玉県トラック総合教育センターで行われる一泊二日研修コース(宿泊・食事含む)を利用。運転者のほか、管理者も指導の学び直しで受講することも。それぞれの立場でやるべき事を確認してもらえればと事業者は送り出す。
研修費用は組合からの補助で1万円と割安だ。お得感から常連組合員も多い。安全研修会が本格スタートしたのは2015年から。当初年2回だったのが4回へと増やし現在のスタイルに。この7年で参加者は150人以上を数える。

プロが1泊2日で懇切指導

実は08年頃より日帰り研修として不定期で実施行するようになった。「貨物自動車関与の交通事故がピークに達し、トラック協会会員では危機感を募らせていた時期」。日貨協連の永嶋功常務理事はドライブレコーダーなど安全機器の装着や安全走行の土台となる研修事業へ関心が高まった時期と振り返る。
研修の座学や実技の講師は、皆警察出身の指導員のプロだ。2月9日に行われた研修内容は初日、危険予知とレーニングから始まり、基本走行では安全運転を行うための姿勢や、実際の事故から導き出された再発防止対策など基本を学ぶ。これまでの我流運転が一目瞭然となる。一泊研修ならではの夜間研修では、日没後の安全運転のポイントを学ぶ。また、雨などで滑りやすい路面を再現したスキッドコースでは、ロックブレーキとABSブレーキとの違いを体験する。
今回はチェーン装着研修も盛り込まれた。首都圏キットの金子靖典次長によると、実は雪道での運行がない運送会社ではタイヤチェーン装着経験がない運転者は少なからずいるようだ。突然の大雪は都心でもある。立ち往生や渋滞を招かないためにも「身に着けておく事は大切」と語る。
年に1回以上、運転者への教育・指導として事業者に実施が定められている国土交通省告示(12項目)。その補強の一環として首都圏キットの安全研修は寄与しているとも永嶋常務理事は付け加える。教育の領域でも組合加入のメリットを感じられたらと話す。

提供元:日本流通新聞×foredge
By:物流たまてばこ

日本流通新聞 トラックマンジョブ